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ヒートポンプ、エアコン

熱は温度の高い所から低い方へ向かって移動するエネルギーです。水が高い所から低い所へと流れるのと同じです。これは人間が手を加えなくても自然とそのように移動します。こういうことを自発的変化といいます。

温度の高い源を高温源と言って、温度をTH [K] で表します。また、温度の低い環境を低温源と言って、温度をTL [K] で表します。熱機関(システム)で仕事 W を得るには高温源から熱量QH [J] を受け取り、低温源へ熱量 QL [J] を捨て、熱量の差QH-QL が仕事になります。したがって、W=QH-QL です。この温度差で効率最大で仕事を得るのはカルノーサイクルです。その熱効率 η は η=W/QH =1-(TL/TH) となります。この効率は受け取った熱量でどのくらい仕事ができたかの割合を表しています。これは温度の高い所から低い所へ熱を自然に移動させて、その結果仕事を得るわけです。

熱機関とは逆のサイクルを使うヒートポンプやエアコンは、仕事を外部からサイクルにして低温源から熱量 QL を吸い上げ、それに仕事 W を加えて高温源に熱量 QH (=QL+W) を汲み上げるというものです。ある仕事でどのくらいQHを高温源に与えたかが性能ですから、成績係数COPHP=QH/Wで表します。これに対して、冷凍機、冷蔵庫、エアコンの冷房モードでは、低温源からどのくらい QL を吸い上げたかですから、これの成績係数はCOPR=QL/W で表します。

たとえば、消費電力500Wのヒートポンプ式空調機の高温側への放熱量(=暖房能力)が、3.0kW、低温源からの吸熱量(=冷房能力)が2.5kWのとき、暖房時のCOPHPはCOPHP=3000/500=6.0 、冷房時のCOPRはCOPR=2500/500=5.0となります。COPHP=COPR+1が成り立ちます。

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