力というのはものの運動量を時間的に変化させるものである。運動量は質量×速度で表現される。ものの実体の運動のし易さ、し難さの程度を表すののとして質量がある。実体が時間的に変わらなければ運動量の時間変化は速度の時間変化で表され、すなわち加速度であるので、運動量の時間変化は質量×加速度と表わされる。この変化をもたらしたものが力である。単位は [ N ] であり、ニュートンと呼ぶ。
この力が作用している状態でものがその力の方向にある距離移動したとする。その時の力とその力の方向に移動した距離をかけたものが仕事である。したがって、仕事=力×距離 [Nm] である。 なお、この単位 Nm をニュートン・メータと読む。この仕事をする能力をエネルギーという。エネルギーの単位は [ J ] である。これをジュールと読む。したがって、あるエネルギー E を持っていると、そのエネルギーでW の仕事ができるとみなされる。このことから、エネルギーの単位であるジュールと仕事の単位であるニュートン・メータは同じであることがわかる。たとえば、100 ジュールのエネルギーを持っていると、1ニュートンの力でものを100メートルの距離を動かせる能力を持っているとみなせる。また、10ニュートンの力を出せば10 メートル動かしてエネルギー切れとなる。
このエネルギーをどのくらいの時間(秒)で発生や消費をさせるかを表すのに、単位時間当たりのエネルギーで表したものを仕事率、もしくはパワー P と表現する。したがって、単位は [J/s] である。この [J/s ]を [W] (ワットと読む)で表す。Wは仕事の記号として使っている。そのため、単位のワットを表すには単位は鍵カッコ [ ]で囲って書くと間違いがない。ここで、[J ] = [Nm] で空き換えると [W]=[N・(m/s)]と書ける。すなわち、パワー=力×速度 で表されることもある。