物の運動を調べるということは、速度の時間変化を観察することである。速度の時間変化は加速度である。速度が減少したら減速(符号としてはマイナス)、速度が増加したら増速(符号はプラス)という。では何が速度を変化させたのか?それがそのものの以外から作用した力なのである。ものの運動の大きさというものを表すのが運動量である。すなわち運動量は質量×速度で表される。実はこの運動量を変化させるものが力なのである。質量はものの動き易さとか動き難さを示す固有の性質である。決して重さを表すものではない。速度をv、質量をm、力を F で表すと、運動量はmvであり、その時間変化は時間 t の微分として表せるので、運動量の変化と力の関係は次のように表せる。
質量は時間的に変化しないとすると定数として微分の外に出せるので、結局、上式は次のように見慣れたものとなる。
つまり質量×加速度=力のとなる。左辺は運動の時間変化であり、その変化を与えたのが右辺の力ということになる。これが質量 m の物体の運動方程式である。
したがって、ものの速度の時間変化を調べることはそれにどのような力が作用したのかを知ることになるのである。これが観察の目的である。