水を流すのも空気を流すのも流体工学にとっては同じである。密度が異なる流体というだけのことである。土木の分野では、河川の流れを制御する治水、用水路で田んぼに水を行き渡らせるための水の分配、上下水道の配管といった、水を扱うことが多いので、「水力学」という分野として流体工学に触れた人は多い。私は機械工学であったが、最初に習ったのは水力学であった。ポンプの羽根車の曲線(インボリュート曲線)の作図や、ダムから落差による水力発電、そこで使うペルトン水車のことなどを学んだ。出てきた理論式はベルヌーイの式と運動量理論による力の見積りであった。
水を流すのにどのような方法があるのか?どのくらいの動力(パワー)が必要なのかというようなことを見積もれることが重要であった。ベルヌーイの式からダムのように位置エネルギーをつかって流す、運動量理論を使って水の運動エネルギーを使って水車を回すといったようにである。ポンプを使うとすれば、ポンプ動力 L [W] は、L= ρgQH で計算出来るので、吐出流量Q [m3/s]、揚程ヘッド H [m] で見積もる。