渦運動を半径 r の角速度 a [rad/s] で円運動している円盤(剛体渦)としよう。半径 r の円周上の接線方向の周速度(円盤の縁の速度) v は v = r × a で表される。この周速度に円周 2πr を掛けたものを循環 Γ [m2/s] と言う。すなわち、Γ = 2πrv と書ける。これに v=ra を代入すると、 Γ = 2πr2a となる。ここで、πr2 は円盤の面積であるから、これを A で表すと Γ=2Aa と書ける。ここで、 円盤の面積 A と渦度 ω を掛けたものを改めて、循環と言うことにする。新しく定義した循環は
Γ=Aω=2Aa
となり、渦度と回転角速度の関係が、ω=2a となり、渦度は回転角速度の2倍の値を持つものであることがわかる。渦度は微小流体要素の自転を表すものである。
結局、循環というのは渦の回転角速度と渦の大きさ(面積)を掛けたものであるから、質量×速度を運動量と称したことと同じように、渦の運動量のようなもの(定義された言葉がないのでこれを循環と呼ぶのである)を表すものと解釈できる。