水も大気も重さ(力なので単位はN)がある。密度に体積を掛けると質量となるので、それに重力加速度を掛けると重さとなる。体積を1m3の立方体として水(20℃で密度約1000kg/m3)を切りだしたとき、その重さWwは、Ww=1000×1×9.8=9800 [N] である。はかりに乗せると質量として[kg]で表示されるので、そのほうがなじみが深いとすると、体積1 [m3] の水の質量 Mw は Mw=Ww/9.8=1000 [kg] である。つまり1 m3 の水はトンであることを示している。同様に密度1.2 [kg/m3]の空気ではWa=1.2×1×9.8=11.8 [N] であり、Ma=Ma/9.8=1.2 [kg] である。つまり、空気は水の約 1/1000 の重さであることがわかる。
圧力というのは面に垂直に作用する単位面積あたりの力のことである。したがって、単位は [N/m2] であり、これを [Pa (パスカルと読む)] で表す。
体積1m3 の水を面積1m2 の面の上に乗せると、水の重さによってその面にかかる圧力 pw は pw=9800/1 =9800 [Pa] である。この水の重さによる圧力を静水圧と呼ぶ。それを2個積み上げると、pw=9800×2/1 = 19600 [Pa] となる。だんだん桁数が大きくなるので、これを100 で割って、19600/100=19.6 [hPa] で表す。ここで Paの前についている hは100を表すヘクトという記号である。1000 の場合は k (キロ)を使うのと同じである。
さて、大気が 1 m2 の面に乗ったとすると、トリチェリの実験によって大気圧によって支えられる水銀の重さが13.6×1000×1×9.8×0.76=101300 [N] である。質量でいうと10340 [kg] (約10 トン)である。水のブロック何個分か?というと、約10 個分である。高さでいうと、10mである。したがって、大気の重さと釣り合う水の重さは10トンであるから、地上で暮らす我々の頭上には10トンもの重さの大気がのっかっているという事になる。これが大気圧である。大気圧はpa=1013 [hPa]である。これを1気圧とも呼ぶ。