たとえば、次の変換を見てみよう。

この係数行列は元の基底ベクトルをx方向に3倍、y方向に2倍拡大した座標系に変換するものだとわかる。また、基底単位ベクトルの大きさ1で規定する面積はもともと1×1=1であったので、変換の結果、面積を3×2=6倍にした座標系であるともいえる。

この変換行列で、単位基底ベクトルで出来る図形の面積を表している量を行列式という表現で次のように表す。

すなわち、2×2の行列式は変換座標系の図形の面積の拡大縮小率を表す。マイナスの値になった場合、変換後の平面が元の平面を裏返したものであることを表している。またdetA=0は拡大率が0であるので、原点の点に集約されてしまう(2本のベクトルは一次独立)か、直線でいうと重なって一本の直線になった状態。すなわち一次従属である。3次元であれば一つの平面に3本のベクトルがあることになり、1次従属の関係となる。