次のように表されるベクトルを考えよう。

これを図に表すと、

である。ここに、i,j ベクトルはそれぞれ、x, y 方向を表す基底ベクトルである。つまり、任意のベクトルはこれらの座標系を表す基底ベクトルの線形結合として表される。また、基底ベクトルを並べて成分で表すと2行2列の行列として表すことが出来る。これを使うと任意のベクトルは

の様に表すことが出来る。つまり基底ベクトルで表される空間内のベクトルをこの形式で表される。言い換えればもし基底ベクトルを変えればその空間のベクトルを表せ、それをもとの空間におけるx,y座標で表すとどうなるかというと、以下のような表記ができるであろう。

つまり、基底ベクトルで作る行列を作用させると、新たな座標におけるベクトルに変換できるということである。
例えば、反時計方向に90°回転させた座標系で、元のベクトルがどうなるか見てみよう。変換は

なので、

となり、図で表すと、

となる。
つまり、行列とは(変換する)基底ベクトルの並びを表していて、これを変換行列と呼ぶ。
例えば、x方向へのせん断変形は、例えば次の変換行列で表される。

図で表すと、先に示した元のベクトルは次のように変形する。




