ゼロベクトルではないベクトルに次のような変換を施した結果、元のベクトルがスカラー倍のみされて方向を変えない次のような関係にあるとき、

λを変換行列Aの固有値と言い、xベクトルを固有値λに対する固有ベクトルと言う。
λに単位行列をかけて右辺の項を左辺に移行して整理すると、

と書ける。ここではベクトルxはゼロベクトル(自明な解)ではないので、非自明な解を持つためには左辺の行列式がゼロであるという条件を満たす必要がある。つまり、

これより、固有値λを求める手順について見てみよう。まず、Aを次のように書くと、

上式は

とかけるので、これを展開すると、

と表わすことが出来る。まとめて整理すると、

であり、これを固有方程式(特性方程式)という。
ここで、見やすくするために、

とすると、λに関する二次方程式の根の公式から、

と固有値を求めることが出来る。ここに、

なぜなら、Aを対角化すると、

となるからである。
たとえば、例として、



と求められる。
次に固有ベクトルを求める方法を例をもとに見てみよう。
1)固有値λ1=4のとき、

2)固有値λ2=10のとき、

これらを使って、Aを対角化するときの行列Pは、次のように求められる。
