連立一次方程式の解とrankの関係を見てみよう。例として未知数の数nはx、yの2つとしよう。つまり、n=2とする。
連立方程式は
これを行列で表現すると、
ここに、係数行列を
未知数と、定数項をそれぞれ、
で表した。さらに、拡大係数行列を
とする。
以下に具体的な連立方程式を挙げ、その解について見てみよう。
解はx=1,y=1である。すなわち、2つの直線は1点で交わることを意味し、その交点が解である。
次に、
の場合は、x=1-t、y=tのように任意のtを選べば解は無数にある。すなわち、式を見ても分かるように2つの直線は全く同じであり、つまり重なっているため、共通する解は無数存在することになる。
次の例は、
のように、0=2という不合理なことが起こるので、解は無いことになる。すなわち、2つの直線は平行で交わることが無いために、共通する解は無いことを意味している。
以上まとめると、
係数行列のrankAと拡大係数行列のrankCが等しいかそうでないかで解があるか無いかが決まり、解がある場合(rankA=rankC)は、rankA=nであれば解はただ一つに決まり、rankA<nの場合は解は無数にあることになる。解が無い場合はrankAとrankCは一致しない。